[site-K] 平井景 オフィシャルウェブサイト [site-K]トップページへ
トップページ プロフィール 音楽活動 ディスコグラフィ スケジュール エッセイ・オピニオン お気に入り 平井景ドラム教室
エッセイ・オピニオン
エッセイ・オピニオンのトップに戻る

(2001/09/19)

ながーい1日 (9月9日/調布GINZ)

9月9日は私にとって、ながーい1日でした。
調布はGINZで、"平井景Special Jazz Unit"のライブが行われる日。

この日は午前10時〜午後3時まで新宿で別の仕事が入っており、
ベースの村上聖さんとも一緒。つまり1日中、御一緒なわけです。

台風が来るとか来ないとかで、朝から雨が降りそうな、いやーな天気。
『今日は大事なライブがあるのに、この天気で客足が遠のくのでは・・・。』
などと、 多少重たい気持ちを抱えながら新宿に向かいました。

自分が主宰してライブを行うときは、
メンバーへの配慮や、ライブの内容、お客さんの入りまで
何かと気になるものです。

ドラムスのセッティングには他の楽器より多少時間がかかることもあり、
まして自分が仕切る立場の時はバタバタする為、
「ローディー」もしくは「ボーヤ」と呼ばれるお手伝いを頼むことが多いです。

その日も私は電車で朝からの仕事場に向かい、
そこから村上さんの車でGINZまで乗せてもらいました。
私のドラムセットは、「ボーヤ」が直接GINZまで運び搬入しておいてもらう
段取りだったのです。

無事、朝からの仕事を終え、村上さんとGINZへ向かうべく
その仕事場を飛び出しました。
なんと、外は大雨!
『トホホホ』の気持ちで村上車の助手席に乗り込もうとしたとき、
その窓が全開になっていることに気付きました。
村上車を停めていた駐車場には屋根がなかったのです。
『あー、席がビショビショ!あー、俺が送った今日の譜面の封筒もー!!』

私は後部座席に乗せてもらい、村上さんが運転するタクシーのような状態で
とりあえず急ぎました。
『運転手さん、調布まで行ってくれい!』など調子のいい事も言いつつ。

途中、事故渋滞に巻き込まれたりしながら、やっと到着。
まぁ、GINZという店はいつも言うように居心地のいい所で、
焦って店内に入っても、スーっと落ち着く自分に気付くのでした。

Yuriさんのイラスト この日のメンバーは
以下の4人。
矢堀孝一(Giutar)
大高清美(Organ)
村上聖(Bass)
平井景(Drums)


この素晴らしいメンバーとリハーサルを行った時点で
この後の本番が面白いものになりそうな予感。

お店もオープンの時間となり、店内が賑わい始める。
これで私もいろんな不安感が無くなっていく。
あとは全力で演奏するだけですから。

この日、ギターの矢堀さんとは6年以上ぶりの共演でした。
'92年〜'95年頃、私がリーダーで"UrbanScape"というバンドをやってました。
その当時のメンバーは
矢堀孝一(G)、新澤健一郎(Key)、佐藤慎一(B)、平井景(Ds)の4人で、
ゲストに原田芳宏(Steel Pan)氏や服部正美(Perc)氏らを迎えて
六本木ピットインなどで活動しておりました。
このバンドでの貴重な経験の数々が、今の私の土台になっていることは
言うまでもありません。
矢堀さんにもいろいろ教えてもらい、今でも感謝しております。
「人生、勉強」です。

ということで久々の矢堀さん、
また格段に素晴らしいギターリストになっておられました。
そして、また指のよく動くこと!(笑)
あのタイム感でソロを引き続けられるのはスゴイ!
ソロアルバムのレコーディングを終えたばかりということで、
今のりにのっておられます。

それから、秋に次回のソロアルバムのレコーディングを控えているのは
オルガンの大高さん
なんと"デイヴ・ウェッケル"ら世界的なミュージシャンとアメリカで制作する
とのことで、英会話も勉強中。
最近、普段の会話中に突然英語を発するんですよねー。(笑)

平井&大高&村上 以前のエッセイでも
述べているように、
GINZという店は
造りが変わっていて、
客席がステージより高く、おまけにステージの壁は
全面鏡張り


大高さん曰く。
『鍵盤を弾く指までお客さんに見られているようで恥ずかしい。』
『普段は曲を見失っても、顔だけ盛り上がっているふりをして、
同じ音でガーッと音量を出してごまかすという手があるんだけど、(笑)
今日は指が動いてないとバレルから困るわ。(笑)』

しかし、なんのなんの。ゴリゴリ弾きまくる!!
めちゃくちゃカッコイイ演奏でしたよ。
オルガンひとつででいろんな音の表情を出せるという
この楽器の大きな可能性も見せてくれました。
それから、事前にやる曲を理解して望んでもらえたらしいことは
責任感のあるその演奏からよく分かりました。
演奏中、いろいろバンドを助けていただき、ありがとうございました。

余談ですが、
その日、私のオリジナル曲で「夕暮れ時にて」というのをやりました。
テーマ部分が終わり、村上さんのエネルギー溢れるベースソロ。
この後は、それを引き継ぐように「泣きのオルガン・ソロが・・・・」
という予定でしたが、大高さんがそのソロを引き始めようとした時、
炸裂したギターの音が横から割り込むぅ!!!
矢堀さんは『この曲の流れは俺のギターソロしかない!』と
完全に思い込んだようで、(笑)
大高さんがフィーチャーされる予定の部分を侵略してしまった訳です。
そのとき、大高さんが思いっきり矢堀さんの方に振り向き
『えぇぇーー!!???』
という表情をされていたのを私ははっきり見てました。
ドラム叩きながら、大笑い。

断っておきますが、こういうことはセッションではよくあることです。
それに、事前の約束はあくまで事前のことであり、
演奏中は瞬間的に様々な判断を下しながら、音楽を創っていくのです。
この時も、音楽的には何の問題もなく、結果的に良ければそれは良しとしております。

今度(9/24)、大高さんのライブにメンバーとして呼んでもらっておりますが、
その時「夕暮れ時にて」を演奏曲目に入れたいと彼女から言われてます。
『リベンジするつもりやな』と微笑んでしまいました。
その日来ていただければ、今度こそは「泣きのオルガンソロ」
思いっきり聴けることでしょう。(笑)

さてさて、話をGINZでのライブの日に戻しましょう。

日常的に夜の遅いミュージシャンにとって
午前中から演奏するというのは、かなり酷なこと。
でも、ベース村上さんがご機嫌な音だったので
私は1日ハッピーでした。
村上さんとは2年程前に六本木ピットインでご一緒して以来、
2度目の共演となりました。
当初から「いいベースだな」と感じていたのですが、
その直感は間違ってなかった。
音も太くていいし、音楽の持って行き方が一緒に演奏しながら共感しまくり。
つまり私にとって、やってて「合う」ベース

初共演の時も、他のメンバーはいつの間にか帰ってしまい、
二人でしみじみ朝まで飲んだのですが、
この日も結局最後まで残ってたのは我々。(笑)
俺と一緒で、ライブ終わってからウダウダと飲んでるのが好きな人だと
見ました。(笑)
「16時間以上も私と一緒だったという、ながーい1日でしたね、村上さん。
お疲れさまでした!」

そんなこんなで、この話もながーい文章になってしまいましたねー。

メンバーの皆さんも、
悪天候の中、お越し頂いたお客さまも、
本当にありがとうございました!!!

村上&大高&平井&矢堀

演奏曲目(9月9日"平井景Apecial Jazz Unit")
1部)
1."22" (K.Otaka)
2.Cissy Strut
3.夕暮れ時にて (K.Hirai)
4.Adicted To Jazz (K.Yabori)
2部)
1.Footprints
2.SuperCar (K.Hirai)
3.ガラスとれんがの街 (K.Hirai)
4.Buy Today's Honey By Tomorrow's Money (K.Hirai)
アンコール)
Song For Bilbao (ゲストに小川銀士(Sax))

←前のエッセイ↑エッセイトップ次のエッセイ→

▲ページトップへ
トップページ プロフィール 音楽活動 ディスコグラフィ スケジュール エッセイ・オピニオン お気に入り 平井景ドラム教室
Copyright Kay Hirai and Bright Sun's Record all rights reserved.