M.C.(Master of Ceremonies)とは、コンサートやライブで使われる場合、
司会進行、つまりはしゃべりを担当することを言います。

私はこのMCというやつを、かれこれ10年位やっております。
自分がリーダーのバンドを始めたのがそれくらい前ですから。

断っておきますが、
私のMCはプロの司会者みたいな、なめらかーなやつではありません。

「居酒屋MC」です。飲んでる時にウダウダ話す感じに近い。

私のリーダーバンド、リーダーセッション遍歴は
また後日詳しく書きたいと思いますが、
まぁ、様々な場面でMCなるものを担当してきたわけです。

しかーし！
私は、別に人前でしゃべることがめちゃくちゃ好きなわけではないのです。

これが好きだと思われがちなのが、困るんです。
「平井はマイクを持つと嬉しそうだね。」とか。

できれば、他の人が司会をしてくれた方が、
演奏に集中できるし、ありがたい。

たしかに20代の頃は、かなり長い間しゃべっていました。
曲間の話しが20分に及ぶことも・・。
メンバーに「寄席じゃないんだよ！」と苦情を言われたことも・・。

学生時代や卒業して間もないうちは
お客さんといっても身内のような友人とかが多いのでしゃべりやすかった。
いわゆる、内輪ウケ。

そしてそんな甘い状況は長くは続かない。

ライブも回数を重ねていくにつれ、
ほとんどが知らないお客さんだったり、初めて行く場所だったり、
テレビやラジオの収録だったり・・、
そういう場面でしゃべるのは緊張もするし、かなり辛いものがあるんです。

年1回毎年招かれているコンサートのチラシを見て、
「平井景ユニットの"素晴らしい音楽"と"楽しいトーク"に乞うご期待！」
などと書かれていたりすると
もうすごいプレッシャー！！

MCを入れる前の曲が終わりに近づくにつれ
「あー、次何しゃべろかな。」「ウケなかったら、どーしよー。」
と、雑念が入る。

アンケートに
「今日のしゃべりは短かった。」「面白かった。」「面白くなかった。」
などと音楽と関係ない感想も多々。

以前、音楽雑誌「ジャズライフ」のライブレポートで
「平井のMCもすべりがちだった。」とか書かれたこともある。(絶句)

俺はミュージシャンであって、コメディアンじゃなーい！！
・・・・・・・

さすがに最近は、 お客さんの反応が無くても、会場がさぶ〜い空気でも、
あまり気にもせず 淡々としゃべることができるようにはなってきました。
(やっぱりしゃべるんかい！！)

大学の先輩であり、尊敬するミュージシャンでもある
ギターリストの布川俊樹さんから
「この雰囲気の寒い状況でしゃべり続けられるのは、えらい！」
とお誉めの言葉(?)を頂いたこともあります。
(後輩としては演奏を誉めてほしかった・・)


兎にも角にもここで申し上げたいのは、
関西人だからといって、しゃべりに期待しないでほしいということ。
そういうキャラクターだと思わないでほしいということ。

「音楽を聴きに来たけど、ちょっとだけ笑いもあって良かったね。」
くらいに思っていただけるのがちょうどいい。

・・・・・・
とは言いつつも、ちょいと笑いがとれたり、
「イェイ」とお客さんの合いの手が入ったりしたものなら、
お調子者の私は図に乗ってしゃべってしまうのであった・・。

普段、ネタ帳作ってる自分が情けない・・。

とりあえず
渋い演奏の後、「はいっ！どーもー。今の曲は・・」
などというしゃべりの切り口はやめた方がいいな。

いや、"つっこみ"を入れるよう、メンバーにお願いをするか。

それとも、合いの手にお囃子でも入れるか。
チャカチャンリン デンデン！！

いやいや、そうではありません。

そうです！
ライブにお越しいただくお客さまこそが頼りなのです！
「イエーイ！」「ブラボー！」「よっ、待ってました！！」
と拍手付きで是非ともご協力お願いします。

そんなことでミュージシャンというのは 簡単に乗ってくるものなのです。

やっぱりライブは楽しい方がいい。

"感動と涙と笑い"
これを今後のテーマにしよう。