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(2001/08/08)

ミュージシャンを恋人にしない方がいい理由

昼過ぎに、とあるレコーディングの仕事を終え、
『これにて、今日の仕事は終了!』とちょっと気分のいい感じ。
あれっ。
気が付いたら、2件目に寄った楽器屋でトップ・シンバルを買ってました。
なんで??と聞かれても困るけど、理由はひとつ。
そこでイイ音の楽器と出会ったから。
後から『ヤバイ。お金使ってしまったぁ!』と頭をよぎるけど、
『まっ、これで一つ仕事が来れば、モトとれるか。』
などと自分を納得させます。

新しい楽器が手に入ると、しばらくは嬉しくてワクワク状態。

マイ ドラム・セット 因みにトップ・シンバル
(ライド・シンバルとも言う)
とは、
クラッシュ・シンバルが
『グァシャーン』
とアクセントで鳴らすものを
指すのに対して、
主にリズムを刻む役割の
ものをいいます。

例えばジャズのレガートで聞かれるような
ほら、あの「チンチキ・チンチキ」もしくは「ジンジキ・ジンジキ」と
スイング感を決定するほど重要なやつですよ。
修行不足の私の音なんかは
「インチキ・インチキ」に聞こえるかも知れませんが・・・・。(苦笑)
じゃかましいわい!!!!頑張ってるっちゅうねん。

おっと失礼。

とにかく私にとって、そのトップ・シンバルというものは
スネア (裏に響き線の付いた、常に叩いてるタイコ) に並んで、
とても重要なパーツである訳です。
言ってみれば、”歌声”ですよね。

しかし、シンバルというものは
例え同じ品番のものでも2枚と全く同じ音がするものは無いのです。
だから、カタログ注文して送ってもらうなんてことは私にはあり得ない。

まさに『出会い』『直感』な訳です。
そういう意味では、恋人と同じかも。

そして、いつも『俺好みの音になれー』と念じながら叩いていると
不思議と音が変わってくる!
ひとつには、シンバル自体が錆びたり劣化したりして
本当に味のある音に変わるという面もありますが、
もうひとつは、
自分自身がその音に慣れてコントロールの仕方も分かってきて
歌い方が身に付いていくということが大きいような気がします。
つまり、相手がこちら側に寄ってきてくれているように思えて、
実はこちらも変わっていってる。
うーん、まさに恋愛と似てるではあーりませんか!

しばらく使ってなかった楽器をひっぱり出して
久々に使ってみると意外に良かったりすることもあります。
『あのときは合わないと思ったのになぁ。』って。
これも、きっと自分が変わったのでしょう。
懐(ふところ)が大きくなったとも言える。
それでも、やっぱりダメで合わない楽器もあります。
うーん、まさしく人間関係と似てるー!

こんな風にミュージシャンというのは、
毎日ながーい間、楽器と”愛”を育み
そして願わくば、
こいつを自分の意のままにコントロールしてやろう
という下心もありありで、
さらにそのパートナーをもってして ”自分の表現の世界”を創ろうという
ものすごーい野望を持っている。

世のミュージシャンを好きになってしまった方に告ぐ!
『私と音楽とどっちを取るの??』などという喧嘩をしてはいけません。
音楽を取るに決まってるからです!!

私の場合、
この「別次元での恋愛経験」を積む意欲 (精力?) が無くなったら、
ミュージシャンは辞めようと思います。

しかーしながら、
何でシンバル1枚買ったくらいでここまで話し広げるかなぁ、俺は。

さてさて、今日はこいつを連れてスタジオへ練習しに行くとするか・・・。

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