ドラマーで作曲家、平井景 Official Website

『山岳幻想曲』/ 信州ジャズ

2019年11月20日発売
Bright Sun's Record (BRSR-CD012)
¥2,000+税
デジパック4面(8Pブックレット、ライナーノーツ付き)

『山岳幻想曲』/ 信州ジャズ

美郷を音で描く、新しい日本の音楽“信州ジャズ”
第4弾は「秋、山」をイメージした リッチでノスタルジーな世界
前作『Free Bird』と同じメンバーにより 彩りある演奏が届けられる

5年ぶりの3作目『Free Bird』のリリースからわずか半年で本作が登場。前作のテーマ「春、空」に対して、本4作目『山岳幻想曲』のテーマは「秋、山」。これら2つのアルバムで一つの世界観、一連のストーリーが完結します。

  • ドラマー・作曲家の平井景が全面プロデュース。副プロデュースは、女子ジャズブームの火付け役、音楽ライター島田奈央子。
  • 長野ゆかりの唱歌「証城寺の狸囃子」の信州ジャズアレンジを含む、全6曲収録。
  • ピアノ、ドラムの他、サックス、チェロ、バンドネオン、ウッドベース、エレキベースの総勢7人のミュージシャンが参加。曲ごとにさまざまな楽器編成で、サウンドを構築しています。
  • マスタリング・エンジニアは、小鐵 徹氏(JVCマスタリングセンター)を起用。
  • ジャケットの絵とタイトル文字は、平井景が描きました。

ご購入方法

レーベルのオンラインショップで購入いただけます


参加ミュージシャン

  • 伊佐津さゆり:Piano
  • 平井景:Drums
  • 太田剣:Saxophones
  • 伊藤ハルトシ:Cello
  • 啼鵬“ていほう”:Bandoneon
  • 村上聖:Electric Bass
  • 山根幸洋:Acoustic Bass

Producer: 平井 景
Co-Producer,Liner-Notes: 島田奈央子
Mixing: 芹澤 薫樹
Mastering: 小鐡 徹
Recorded on October 31, November 1&13, December 21, 2018 in Tokyo


収録曲

  1. 山岳幻想曲
  2. 馬走る
  3. 証城寺の狸囃子
  4. かざぐるま
  5. Mountain High
  6. 山岳小夜曲(セレナーデ)

All music written by Sayuri Isatsu, / except "Shoujoji No Tanuki Bayashi", written by Shinpei Nakayama


ライナーノーツ(抜粋)

by 島田奈央子(音楽ライター)

(信州ジャズ『山岳幻想曲』ライナーより抜粋)

2012年から活動する“信州ジャズ”が、2019年春に5年振りの新作『Free Bird』をリリースし、新たなる第一歩を踏み出した。 1st『Field』(2012)、2nd『Gift』(2014)と2作をリリースしてきたが、何よりも大きく変化したのは楽器編成である。これまでは、ピアノトリオにフルートが入るスタイルだったが、3作目『Free Bird』からは、ピアノトリオにサックス、チェロ、ギター、バンドネオン、曲によってはエレキベースが入り、プロデューサーである平井景のアレンジでサウンド面での景色感が大きく広がった。収録曲は、ライブを重ね進化させてきたお馴染みのナンバーに新曲をプラス。“春・旅立ち”というコンセプトでリリースに至った。更なるアルバム制作の中で、ピアニストの伊佐津さゆりが生み出したある1曲がきっかけで、もう1つの新しいコンセプト“秋と山”というアイディアが浮かび、なんと、今年中にもう1枚のアルバムを立て続けにリリースする運びになった。それが4枚目となる本作『山岳幻想曲』である。

軸となるその曲とは本作2曲目の「馬走る」である。何とも素朴なタイトルだが、メロディから滲み出る哀愁感、Bメロのタンゴ調のリズムから疾走感が。サビで広がる壮大さ。この曲から見えてくるのは、美しく色づく秋の山々に静かな湖畔。そこにたてがみをなびかせながら馬が走るという幻想的なイメージが広がる。これまでの「水や太陽、緑」という信州の爽やかな景色を曲に昇華する信州ジャズの楽曲スタイルより、もっと奥深くに切り込んだ物語的な曲調。啼鵬が奏でるバンドネオンの響きや村上聖のベースソロのフレージングがなんとも切なく胸に染みる、まさに秋から冬のイメージ。 「山岳幻想曲」は山の頂上から見える景色を描いたとのこと。伊藤ハルトシの伸びやかで美しいチェロが、山の壮大さを表している。「証城寺の狸囃子」は、「木曽節」に続くキラーチューンである。マイナー調の怪しい雰囲気から始まるイントロは、まさにうっそうと生い茂った暗い林の中からひょっこりと狸が出てきそうだ。切ない秋のお祭りを描く「かざぐるま」の太田剣のソプラノサックスもノスタルジックで美しい。ウッドベースで参加する山根幸洋の深い音色も胸を突き刺すだろう。「Mountain High」は、山高く昇るような上昇した気持ちを描いたもの。信州ジャズでは珍しい4ビート曲で、平井の熱いドラムが存分に味わえ、伊佐津の中にある芯の強さがピアノで表現されている。秋から冬の山のイメージを一つの作品にしたためた本作。そうそう、実はこのジャケットの表裏を含めた絵は、全てプロデューサーの平井が描いたもの。色・タッチも個性的で印象的。こんな才能まであるなんて、周りも驚きモモノキである。そして、前作の『Free Bird』と合わせて一つの物語になるように仕上がっている。